新築大家さん 社長ブログ

税引き初任給を二〇万円とすれば、その中で家賃は三分の一といわれ、
仮に七万円としても支出は結構きついのです。
少ない収入のなかで暮らしているので、
家具や家電を揃えたらいくらかかるのかは当然調べています。

家具は一回買えば済みます。単身暮らしの１Kなら、
七万円もあったら普通の家具が揃えられます。
家電製品まで入れても、一二万円あれば十分でしょう。

だとすれば、家具付きで家賃が一万円高いところよりも、
一万円安いところならば一年で家具一式を揃えられてしまうということなのです。

反対に、家賃が高くてもいいという層であれば、
分譲賃貸のタワーマンションのような物件を選ぶわけです。

また、一人暮らしといっても、高い家賃を出せる人と、
低い家賃を求める人に二極化されます。
前者は誰が見ても高い家賃の物件を選ぶのに対し、
後者はお得な物件でないと選ばないのです。

では、家具付き賃貸は、どちらの物件に入るでしょうか？
お得で引っかけているので、後者です。
平均相場でなければ、お得感が無いので、入居者は集まらないのです。

この人たちは家賃が高くてもいいという層ではなく、
お得な物件を探しているので、ここをターゲットにしても
絶対に高い家賃の部屋は選ばれません。

前述したように、家賃を高く取るためのものを造るというのは、
他にない物件でなければならないわけで、ということは
家具付き賃貸というのは差別化にはなりません。
家賃は上がらないのですから、それは差別化でも何でもないのです。

家賃を上げられる物件というのは、
「高級感がある」「他にない」の二つに代表されます。

分譲賃貸マンションが高級感の代表であるのに対し、
他にない差別化としては、ホビールーム（防音室）付きや猫マンション、
またシェアハウスなどいろいろ考えられます。
（後編に続きます）